転職事例/出向・転籍・退職の場合

現役転職コンサルタントが執筆します。

はじめに/大変な時代

by tensyoku on 2014年4月2日

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勤めている企業に事業がなくなり、得意な仕事がなくなれば、ほかの企業に移籍して得意分野で実力を発揮する選択が賢明な時代となりました。

企業に残るための新たな職域開拓や職能開発には、たくさんの時間とエネルギーが必要です。しかし、それほど企業は寛容で面倒見が良いでしょうか?

私たちは文字通り大変な時代の転換期に遭遇しているのです。置かれた環境、立場、役割等は、巡り合わせであり試練なのだと達観するゆとりも必要でしょう。

こちらのサイトでは転籍や出向を契機に転職を決断された方の事例をご紹介していきたいと思います。

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もはや会社にぶらさがってはいられない

by tensyoku on 2016年2月2日

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時が進むと、「会社員の転機」は広範囲に論じられるようになり、多くの雑誌が会社員の生き方や生きざまをトピックスとして取りあげるようになりました。

それはバブル経済の崩壊が明白となった90年代以降に顕著となりましたが、時間を少し長期にとると、日本社会で「サラリーマンの転機」は常に社会問題となってきました。

戦前にも『サラリーマン恐怖時代』や『サラリーマン貧乏物語』が刊行される等、サラリーマンにとって大変な局面は幾多ありましたが、戦後も、幾度か大きな節目がありました。

占部神戸大学教授は、著作『サラリーマンの哲学』において次のように述べています。

「これまでの高度経済成長の時代は、サラリーマンにとって、天国であった。しかし、これからの低成長の時代は、サラリーマンの暗黒時代になる。大幅なベースアップは望めないし、昇給のチャンスも少なくなる。交際費も使えなくなるだろう。こうした暗黒時代に、サラリーマンはいかに生きるべきなのか。時代とともに、社会も変化している。当然サラリーマンもまた変わらなくてはならない。」

それにしてもバブル経済崩壊後におけるサラリーマンの転機は、誰の目にも並大抵のことではないように思えます。相当数の雑誌がサラリーマンのあり方を特集しましたが、辛口のものが目立っています。

「曲がり角のビジネスマン」
「平成のサラリーマン革命」
「ミドル受難時代」
「会社を離れて生きられますか」
「したたかな転職一個人と会社の別れ方」
「50歳以上、出社に及ばず」
「“脱会社人間”の時代一いまや会社べったりでは生きられない」
「管理職切り捨てに異議あり」
「会社よサヨウナラ、自分よコンニチワ」
「終身雇用の幻想」
「管理職受難時代 50歳にハッピーリタイアメントを追う」
「崩れはじめた日本的雇用システム」

雑誌の特集タイトルはエキサイティングであることを常としてはいますが、ここに記載したタイトルのすべてが、まことにもって刺激的な見出しです。

しかしながら、これによって人々は、事態の深刻さを噛みしめたことでしょう。

全体を通じてのコンセプトは、「もはや会社にぶらさがってはいられない」ということになりましょうか。

会社を離れて生きられますか、50歳以上出社に及ばず、個人と会社の別れ方、いまや会社べったりでは生きられない、会社よサヨウナラ/自分よコンニチハというメッセージは、文字通り「崩れはじめた日本的雇用システム」ということであり、「終身雇用の幻想」は捨てなければならないということ。

50歳を「ハッピーリタイアメント」に転換する心根と対策が重要になる、と教えているかのようです。

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社畜ができあがる

by tensyoku on 2016年1月6日

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91年、通産省傘下の「ゆとり社会懇談会」は中間報告をまとめましたが、経済と社会に関する認識はここでも引き継がれています。

「物質的な豊かさが充足される中で、国民は時間的なゆとりや精神的な充足度、心の豊かさといったものをより重視する方向へと変化し、近年、産業・企業の発展と国民生活の充実感との間には大きな不均衡が生じている」とし、「ゆとり社会建設に向けた企業の役割」について具体的な提言をしています。

詳細は省かざるをえませんが、「今後は、企業行動における倫理性や社会性というものがより一層幅広く、かつ、深く問われる」として、企業観を転換することの必要性を強く打ち出しているのが特徴です。

政府や中央官庁は海外の世論に敏感で、有識者を巻き込んで次々と政策提言を世に問うのが常となっています。人々の意識や社会の現実が提言の方向に向けて動き出すのには時間を要するものですが、90年を目前にするころから、有識者を中心に世論は動き出しました。

親日ないし知日派と称される海外の知識人も、「日本はおかしい」「これでよいのか日本人」というタイトルで新聞や雑誌に寄稿しました。80年代における日本は、世界の目から捉えても、尋常ではなかったのです。

日本型企業社会の転換が迫られる中で、企業と企業人もまた意識の転換を余儀なくされています。一般のビジネスマンについてもそれは同じことですが、心ある人は、先の政策提言や世論の動向がそうなる以前に、すでにして自らのあり方を点検しています。その先駆的存在ともいえるグループが、90年に『脱・ビジネスマンの挑戦』を出版しました。

メンバーが共有するのは、企業を伸ばす最大のファクターは「効率性」ではなくして「創造性」であり、自己実現型社員であるという認識です。その一人で大企業の部長職にある山本勝彦氏は、よい会社に入り、より高い収入や地位を求める上昇志向の人を「ビジネスマン」と呼び、単なる月給取りであるサラリーマンとは一線を画すとしたうえでこう述べています。

「個を生かしながらビジネスをこなし、仕事を通して自己実現や社会貢献を果たし、あわせて自分の生活や人生を楽しむという自立した生き方、美学を持った人々」がこれからのビジネスマン像だ、と。山本氏はご自身その体現者です。

こういった発言からイメージされる会社員像は、会社人間や仕事人間という。日本で表現される会社員像とは、大きくかけ離れています。「会社のためなら、家庭や友だちづきあいは多少犠牲にしても精一杯がんばる」、あるいは「仕事や会社での生活に生きがいを感じる」会社員とは、趣が異なるようです。

90年前後から「社畜」という用語がしばしば使われるようになりましたが、安土敏氏によると、転職の自由のなさがサラリーマンを一つの会社の枠中に押し込め、サラリーマンを社畜化するといいます。

自分の会社以外の世界を知らず、自分の会社の中での昇進のみに興味を持ち、話題は会社内の人々の噂だけ。こうなると、もう会社から離れては生きていけず、まるで家畜のようなサラリーマン、いわば社畜ができあがるというのです。

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日本企業社会の転換

by tensyoku on 2015年12月2日

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戦後の日本社会は「企業社会」としての性格が強固であり、国の内外から、社会のあり方や生活の仕組みが「会社主義」や「企業主義」によって支配されていると指摘されてきました。

それでも70年代までは、国民も勤労者も、企業から多くの恩恵を受けていました。

総枠で捉えれば、いわば企業の成長とともに個人の生活が豊かになるという状況が期待されていたのです。

ところが80年代に入ってからは、いわゆるバブル経済のあおりで、経営もまたバブル化してしまいました。やればやっただけ収益があがるのですから、企業は、新創業だ第三の創業だといって、事業の多角化や業容の拡大や新規参入に精を出しました。

そのため社員は働きづくめの生活を強いられ、超過勤務や深夜帰宅が常態化する始末。統計をあたってみると、製造業の生産労働者の場合、年間実労働時間は2189時間となっています。

ちなみに同じ年、ドイツは1642時間、フランスは1647時間。そして97年、日本は1983時間となっています。

国民生活審議会総合政策部会は「個人生活優先社会をめざして」と題する中間報告を公にしましたが、日本社会の現状が企業中心社会になっているのは、企業など組織の存在が拡大しすぎ、その目的や行動原理が個人や社会のそれに優先し、個人生活の自由度が制約されている社会だからというものでした。

一方、目指す「個人生活優先社会」とは、人間としての多面的な側面を持つ個人が、各々の価値観に応じて自己実現を試み、多彩なライフスタイルを志向する社会だと規定しています。項目として列挙すれば、

1.個人を中心とした価値観の形成
2.個性化と多様性が尊重される社会
3.公正な社会
4.充実した社会的消費
5.新しいコミュニティーの形成
6.個人、企業、社会のよりよい関係が実現されている社会

ということになります。そういった社会の実現を掲げる経済審議会の「生活大国5ヶ年計画-地球社会との共存をめざして」が閣議決定されました。

これに先立って産業構造審議会は、討議をふまえて「90年代の産業政策 供給重視・経済効率重視を超えて」をとりまとめ、「いわゆる企業型社会の反省」が必要だとしています。

企業の発展、経済の発展がそのまま個人の豊かさへつながっていないというのです。

「現在の我が国の状況を見ると、国民の価値観が変化する中で、我が国の経済力に見合った豊かな国民生活が実現されておらず、近年、経済の発展と国民生活との間に大きな不均衡が生じている」と述べ、さらには

「元来、政治や産業活動を含め、あらゆる社会制度、経済制度に最終的な目標があるとすれば、それは、生涯にわたって個人の能力を開発し、かつ、それを自由に伸ばしていくことに尽きると考えられる」としています。

当時における経済活動や企業行動の実態に対して、施策担当者が、きわめて大きな不信と危機感を抱いている様子がよく伝わってきます。

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組織の中で職業活動を遂行する仕事人についてまわる3要素

by tensyoku on 2015年11月3日

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組織の中で職業活動を遂行する仕事人には、基本的についてまわる要素が3つあります。

「仕事」と「階層」と「人間」です。

もともと組織とは目標の体系ないしは役割の体系として編成されており、個々のメンバーはその目標体系の一部に組み込まれて仕事をし役割を遂行することが期待されます。

ノルマとか歯車という言葉で表現される組織現象はそこから派生するわけですが、目標や役割は、組織にあっては階層的に編成されています。

大局的で抽象的なものから各所的で具体的なものへ、戦略レベルのものから戦術レベルのものへと編成されているのです。

要するに組織とは階層の体系です。

したがってメンバーは、地位の序列や上下関係に組み込まれ、それをベースに仕事をし役割を遂行することが期待されているわけです。上下関係の間で板挟みになったり、権限や情報が少なくて大きな仕事ができないといったことを経験する中から、昇進願望が頭を持ちあげる。

しかし現実は思うとおりには運びません。

また組織活動は関係者の協働によって担われるわけで、これが3つ目の要素に関係します。

日常的な言い方をすれば、円滑なコミュニケーションと協調的人間関係に支えられて組織は目指す成果を実現できるのであり、チームワークを欠いては効率的かつ効果的な組織活動は実行不可能となります。

したがって組織仕事人は協働できる能力、協働させうる能力を身につけていなければならないということになります。

しかし現実には、人間関係が障壁になってこの協働がスムーズにいかず、サラリーマンであることの悲哀の相当部分がここに由来している点を、多くの経験者が語っています。

就職雑誌『ガテン』は職人の職業を徹底検証し、次の5つを魅力として掲げていますが、会社員型職業の行動様式とは好対照のようにも思えます。

 ・メシ、酒がうまく、人間らしく生きられる
 ・学歴、性別の関係なし。目の玉飛び出る高収人
 ・仕事にやりがい、評価がダイレクトで充実感あり
 ・海外進出、独立など、腕一本で夢がかなう
 ・リストラ無縁の強気稼業、手に職あればつぶしきく

なるほど、組織からの拘束といったものをほとんど感じさせない、まことに男っぽい職業。以前は見向きされることの少なかったガテンワークが「今はスゴイ人気なんです。その理由はサラリーマンのような陰気な人間関係もなく、努力次第で高収人や独立も可能なこと。なによりみんな表情が明るい」と編集長は書いています。

ある新聞の調査によると、なってみたい職業のトップは大工でした。

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組織で仕事をすること

by tensyoku on 2015年10月6日

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かつて石原慎太郎氏は「息子をサラリーマンにしない法」を著しましたが、そこで、サラリーマン社会はオール他律の世界だと規定しています。

また堀紘一氏は、自らの二つの日本企業でのサラリーマン経験を踏まえて、「サラリーマンの経験の泣きどころは、選択権が非常に制限されていること」だと述べています。

仕事の内容、任務、上司、部下、そのどれもほんとうには自由になりません。辞令という名の紙切れ一枚で「どこで、誰と、何をするか」が決められてしまいます。

つまりは「与えられた環境を甘受し、その中で幸せを見い出しなさいと言われているわけである」となります。

仕事や任務が自分で決められない点に絡むと思われますが、サラリーマンには自分と仕事との関連について不安がついてまわるものです。

34年間もの長期にわたって野村証券に勤務し、米国野村証券の社長や野村証券の副社長を務めたあと参議院議員に転じた、いわばサラリーマン優等生ともいえるか洋芳男氏はこう述べています。

「サラリーマンの一番の悩みとは、この仕事が自分に適しているのかどうか、この仕事を自分は定年までやっていけるのかどうかという点だ」と。たった一回しかない片道切符のこの人生ですが、今のようなことをしていて、はたして悔いはないのか。えいやっと決めて踏み込んだ世界だけれど、これでよかったのかとふりかえることが多いというのです。

やや時代をさかのぼりますが、次のような捉え方にはびっくりします。すなわち、「会社が貴方を買ってくれたのだ、会社へ入った以上は会社によって与えられる仕事を何でもしなければならない。その場合の仕事とは、一般社会でいう仕事や職業ではなく、会社にとって必要な仕事であり職業である。会社に入ったときから、仕事とか職業はその社会的意味を失って、まったく閉鎖的な会社固有の仕事や職業になってしまう。会社にとって必要な仕事をすることによって、はじめてサラリーマンという職業は成立する。自分の好みとは関係なく、会社が必要とする仕事なら何でもやるという心構えが必要である」と(小林宏「リクルート」68年6月号)。

一般に組織職業人には、職務に忠実であるとともに、組織に忠実であることが要請されます。この2つが相互に矛盾していなければ何ら問題はないのですが、ときに組織は、欠陥商品を販売する、不正取引や架空融資や贈賄といった社会的に問題性をはらんだ行動に走ることがあります。

企業人や会社員は、自らの人間的誇りのためにもこれらに加担する行為は避けたいのですが、組織に忠実であろうとすると、業務命令には従わなければなりません。

職業の倫理(社会がビジネスマンに期待した行動の規準)よりも、職場の論理と倫理が優先するビジネスマン社会の現実は、日本の企業社会史の中で幾度かクローズアップされてきました。

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