転職事例/出向・転籍・退職の場合

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転職事例4/再チャレンジで本当の仕事場を

by tensyoku on 2014年4月3日

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「社長から、今後とも一緒に仕事がしたい、ぜひ転籍を貞剣に考えてくれと言われています。私もそのつもりでいます。今後の具体的な取り進めについてどうか相談に乗っていただきたい」。

今年の五月、電気工事会社に出向している須賀亮憲から、大手化学会社で出向者フォローの仕事をしている浜崎豪介宛てにこのようなEメールが送られてきた。

須賀は電気設備技術者で、30数年前に石油化学会社に入社以来、電気設備の建設・保全、エンジニアリング会社で電気設備の設計・建設、電気機材会社での工事管理、電気工事会社で積算・工務の各種業務を経験し、その経験を買われて1年前、現在の会社へ出向した。

須賀は、ふだん帰宅後テレビは夜10時からのニュースを見るくらいで、時間があれば専門分野の本や新聞、経済雑誌等を読む時間に当てている。これは彼にとっては散歩と同じで、一種の習慣になっていた。

こうした日々の積み重ねもあって、須賃は現在、電気工事や生産管理に必要なあらゆる国家資格を持っている。一途な理想家で、しかも、決して世渡りのうまいタイプではない。

前の出向先の電気工事会社では、この性格が裏目に出た。そのためそこでは、次のような経験をした。

前任の上司の指示もあり、所属部門の業務効率化について検討することになり、同僚へのヒヤリングを通して業務分析を行い、案を作成、上司の承認を受け、推進運動を開始した。ところが、人事異動で実績主義の上司に代わったとたん、「今、うちにはエリートは必要ない、そんな暇があったら工事の注文でももらってこい」と一蹴され、その後、関係改善の努力をしたが、出向先の業績不振もあって、結局上司との信頼関係を修復することができないまま復職することになった。

現在の電気工事会社への出向にあたって、煩賀は同社専務から、「うちは小さいながらお客さんに恵まれ、今のところ工事受注も順調。うちは従業員にとっては居心地のいい会社で、逆にみんなが井の中の蛙になっているのではと心配している。須賀さんにはぜひこの雰囲気に風穴を開けてほしいと思っている」と説得された。

入札後、須賀は工務・積算部長として情報の共有化を目的とする早朝会議の企画・運営、夏場の各工事現場への応援など一生懸命みんなに溶け込もうと努力した結果、一年後には課長以上が出席する週一回の定例会議に、須賀のコメントの時間が設けられるようになった。

須賀はいろいろな会合で、積極的な意見が出るような雰囲気づくりをしてきたが、着実にその成果が現われてきた。

この会社の社長は二代目で45歳、営業全般を所管、専務は65歳で社長の叔父にあたり、技術全般を所管している。専務は須賀の経験に裏づけられた知見をみんなの刺激剤として活用し、社長は若于の教育係として期待している。

生え抜きばかりの中で、「よそ者が大きな顔をするな」というやっかみめいた陰口もたまにあるようだが、本人は自分が会社にとって必要といわれる人間になることを目標に元気に過ごしている。

特に若者の中から、「須賀さんの意見をもっと聞きたい」という要望も出るようになり、自分の理解者がいるという自覚が、やる気を引き出しているようだ。

転籍時点では年収ペースで出向元基準を少し下回り、日曜日も隔週出勤だが、本人は骨を埋めるところはここだと決断している。前の出向先から復職し、自宅待機の状態になったときは、この先どうなるのかと不安に思ったが、今回は本人が溌剌としており、転籍に賛成した。

浜崎はこの決断を聞いて、今の会社には、須賀のような経歴を待った人物がいないこともあり、またコツコツ続けた努力が認められ、彼も今度こそ本当の「仕事場」をつかんだなと思った。

参考にしてみてください。

現役転職コンサルタント

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