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組織で仕事をすること

by tensyoku on 2015年10月6日

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かつて石原慎太郎氏は「息子をサラリーマンにしない法」を著しましたが、そこで、サラリーマン社会はオール他律の世界だと規定しています。

また堀紘一氏は、自らの二つの日本企業でのサラリーマン経験を踏まえて、「サラリーマンの経験の泣きどころは、選択権が非常に制限されていること」だと述べています。

仕事の内容、任務、上司、部下、そのどれもほんとうには自由になりません。辞令という名の紙切れ一枚で「どこで、誰と、何をするか」が決められてしまいます。

つまりは「与えられた環境を甘受し、その中で幸せを見い出しなさいと言われているわけである」となります。

仕事や任務が自分で決められない点に絡むと思われますが、サラリーマンには自分と仕事との関連について不安がついてまわるものです。

34年間もの長期にわたって野村証券に勤務し、米国野村証券の社長や野村証券の副社長を務めたあと参議院議員に転じた、いわばサラリーマン優等生ともいえるか洋芳男氏はこう述べています。

「サラリーマンの一番の悩みとは、この仕事が自分に適しているのかどうか、この仕事を自分は定年までやっていけるのかどうかという点だ」と。たった一回しかない片道切符のこの人生ですが、今のようなことをしていて、はたして悔いはないのか。えいやっと決めて踏み込んだ世界だけれど、これでよかったのかとふりかえることが多いというのです。

やや時代をさかのぼりますが、次のような捉え方にはびっくりします。すなわち、「会社が貴方を買ってくれたのだ、会社へ入った以上は会社によって与えられる仕事を何でもしなければならない。その場合の仕事とは、一般社会でいう仕事や職業ではなく、会社にとって必要な仕事であり職業である。会社に入ったときから、仕事とか職業はその社会的意味を失って、まったく閉鎖的な会社固有の仕事や職業になってしまう。会社にとって必要な仕事をすることによって、はじめてサラリーマンという職業は成立する。自分の好みとは関係なく、会社が必要とする仕事なら何でもやるという心構えが必要である」と(小林宏「リクルート」68年6月号)。

一般に組織職業人には、職務に忠実であるとともに、組織に忠実であることが要請されます。この2つが相互に矛盾していなければ何ら問題はないのですが、ときに組織は、欠陥商品を販売する、不正取引や架空融資や贈賄といった社会的に問題性をはらんだ行動に走ることがあります。

企業人や会社員は、自らの人間的誇りのためにもこれらに加担する行為は避けたいのですが、組織に忠実であろうとすると、業務命令には従わなければなりません。

職業の倫理(社会がビジネスマンに期待した行動の規準)よりも、職場の論理と倫理が優先するビジネスマン社会の現実は、日本の企業社会史の中で幾度かクローズアップされてきました。

現役転職コンサルタント

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