転職事例/出向・転籍・退職の場合

現役転職コンサルタントが執筆します。

悲しき働きバチ

by tensyoku on 2015年9月2日

af0100003714l

会社員は職業なのでしょうか。会社員というのは、一つの社会経済分類(社会集団、社会層)と捉えるのが適切でしょう。

職業の現代的特徴ということになれば、それが、雇用労働という形態をとっている点に見出されるでしょう。

とりあえず最近に限ってみても、「従事上の地位」という点からすると、就業者に占める自営業主の割合は、70年にはまだ19.2%でしたが、12.1%へと比率を下げました。非農業部門ということになれば、9割が雇用者ということになります。

つまり医者であり弁護士であり建築技師であっても、警察官、理髪師、料理人、コピーライター、新聞記者、プロ野球選手等々であっても、みんな雇用されて職業活動に従事しています。

これが現代社会における、職業に見られる大きな特徴です。しかし、現代社会における雇用者の最大多数は、まごうことなく企業に雇用されている会社員です。

雇用形態の多様化にともなって、会社員といっても、正社員のほかパートタイマー、派遣労働者、臨時・日雇い、契約・登録社員等いろいろです。しかし職業としての会社員ということになると、「常用の通常勤務労働者」ということになるでしょう。その数は、非農林業の週間就業時問を35時間以上とすると、3957万人(雇用者全体の73.4%)に達します。

会社員とは、まさしくこの人々のことですが、会社員の職業特性や会社員人生の特徴は、雇用されているという現実からその多くが導き出されるように思います。

会社員としての生き方には、従来から、いくつかの特徴的なトピックスがあります。

ある人はそれについて、出向、派閥、左遷、栄転、人間関係、付き合い、駆け引き、横車、産業スパイといったキーワードをリストアップするでしょう。

また別の人は、名刺そのものになりはてた労働ロボットと決めつけるでしょうし、さらには社畜、組織の歯車、宮仕え、企業犯罪の犠牲者といったことを、サラリーマン社会に派生する特徴的な現象と見る人もいるでしょう。

ある本に、次のような記述があります。ここでのキーワードは「悲しき働きバチ」、ないしは「ある目突然に」です。

「個々のしがないサラリーマンは、高度に管理された資本主義社会の小さな歯車にすぎないとも言えるが、その歯車仲間が毎日々々、この狭い国土の中でお互いに足を引っ張りあい、また助け合い、さらにはある日突然・・・の移動発令にヤケ酒をあおりながらキズをなめ合ったりして、少しでもより大きな歯車への道をめざしつつ、吸い足取りで階段を上って行く。考えようによっては、なんとももの悲しい風景ではないか。しかしそういったもの悲しさの集積が、経済大国をもたらしたことはまぎれもない事実であり、日本のサラリーマンは、GNP大国の悲しき働き蜂集団なのである。」

現役転職コンサルタント

Comments are closed.