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キャリアの概念

by tensyoku on 2014年9月9日

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わが国では、職業的経歴や職業人生といった使われ方が一般化している点からも明らかなように、キャリアとは、生き方や経歴における仕事のあり方や職業の有り様にポイントが置かれた用語法となっています。

近年における欧米での使われ方とは違っているわけですが、それはそれで、よしとしておきたいと思います。それなりの背景があってそうなっているのでしょうし、そうすることの意義もまたあるように思います。

そのうえ最近では、職業人生、仕事人生、あるいは生涯職業人生といったように、キャリアの捉え方に奥行きを持たせたケースが登場してきています。

こういった事柄については改めて、あとで論ずることにしますが、ここでは、一つのことに言及しておきたいと思います。それは、「狭溢さ」ということです。

まずキャリア概念が、今ふれた場合は別として、狭溢であるということ。

しかしながら一層気になるのは、職業的経歴や職業人生としてのキャリアの中身と内容が、現実にすこぶる狭溢であるという点です。ここでは、取り急ぎキャリア概念の狭溢さ加減について言及しておきたいと思います。

たとえばキャリア・ウーマンという言い方がありますが、これは働く女性のことを指し、古い時代には職業婦人などとも言われました。

専門的職業に就いていて、かつ大いに能力を発揮している職業婦人に限った言い方でもありました。

現存する大阪キャリアグラブというのは、女性の企業家・起業家の会員組織です。

あちこちでキャリア・アップ・セミナーというのが目下大繁盛ですが、女性を対象にしたあるプログラムに目をやると、パソコン操作、簿記二級、日本語・漢字、英会話等、仕事のスキルアップに資する講座が中心です。

どういうわけか、キャリア・アップ・セミナーというと女性を対象にしたものが多いのですが、ある日の新聞に目を止めると、「キャリア・アップお役立ち体験セミナー」と称して、ガーデンデザイナー、カラーコーディネーター、商空間クリエイター、ファイナンシャループランナー等々、カタカナの職業が10ほどリストアップされていました。

キャリアの使われ方が狭隆であることの典型は、中央官庁における“キャリア組“という用法でしょう。国家公務員試験の一種に合格して入省し、20代で税務署長や警察署長を経験し、本省の課長、局長とポストを上り詰めていく、いわゆる出世組の公務員のことです。この場合にキャリアは、「職業上の前進」において最高位にある、あるいは最高位に位置することが嘱望されているという意味で使われていると理解されます。

それにしても現今、キャリアという言葉は、巷に氾濫しています。企業のリエンジニアリングやダウンサイジングによる雇用の削減、大企業の倒産、いわゆるリストラ(レイオフ)等によって、定年までの一礼就業という神話が崩壊しました。転社や転職が、今やふつうの考え方になりました。とは言ってもいま日本社会では雇用機会の減少や損失が大きな問題となっています。

転社や転職といっても、そうたやすいことではありません。

かくして新聞や雑誌など多くのマスメディアは、一方で雇用創出への政府の努力を要請しつつ、個人に対して職業能力向上に向けた自助努力を要請しています。専門性的技量を身につけることが不可欠だ、資格を取得することが必要だというメッセージを送り続けているのです。

社会において雇用の創出が大きな課題になるのに呼応して、個人の生き方に関するテーマとして、キャリア・アップやキャリア・ディベロップメントがクローズアップされることになりました。

キャリア・アップやキャリア・ディベロップメントを目指すのは就職や転職を希望する個人ですが、そのことを個人に勧誘し、そのための機会を提供する事業体が、ここのところ急増しています。通信教育や講座やセミナーを開設し、それと資格取得をセットにするというのがオーソドックスな事業形態と見なされます。

もともとは教育機関として、従来から存在したわけですが、近年は、就職や転職を紹介し斡旋する多くの事業体がこの分野に参入しています。就職や転職を紹介し斡旋する事業体そのものが急成長しているのですから、キャリア・アップやキャリア・ディベロップメントの機会を個人に提供する事業体は、したがって膨大な数に達することになります。

そういった機関や組織が、雑誌や新聞に紹介広告を大きく載せるのですから、巷にキャリアという言葉が氾濫するのは当然なことでしょう。

ついでのことながら、キャリア・ディペロップメントの概念は、もう30年以上も前に日本企業で大いに関心を持たれたことがあるのです。経理や人事の仕事に従事するだけでは、ほかの部門の活動がわからず、会社人間として行動してもらうには具合が悪い。

いずれはスペシャリストとして働いてもらうにしても、入社10年ぐらいまでは異なる三部門ほどを経験させ、職務能力に磨きをかけてもらう、という観点からです。

経歴管理ないし職歴管理という名の人事施設がそれですが、その際、管理の対象になったのは、あくまでも一企業内での職歴です。

しかしながら、今、問題になっているキャリア・ディペロップメントはそうではありません。広く世界までをも視野に入れた、労働市場において通用する職歴を開発することであり、人生における経歴開発のことを指すのです。

労働市場において転職が一般化し、個々人にとっても転戦力を向上させることが人生の大きな課題となり、今や世界に仕事を求めようという時代になっています。現下におけるキャリア・ディベロップメントは、そういう意味合いから重視されるようになっている点に留意しておきたいものです。

キャリア・アップやキャリア・ディベロップメントとは、一言で言えばキャリアをブラッシュアップすることであり、現にキャリアーブラッシュアップという言い方も実際に使われています。職歴や経歴に磨きをかけ、職歴や経歴をリニューアルし、リフレッシュするということでしょうか。

生涯学習の分野で、リカレント教育という専門用語が使われています。社会の急激な変化、急速な技術革新、平均寿命の延長等を背景にして、「人々がこれまでに習得した知識・技術の陳腐化を防ぎ、労働の機会、能力発揮の機会を保障し、もって自己実現、豊かな人生を過ごせるように」する趣旨から発しています。カレント(current)は今日的である、通用しているという意味ですから、リカレント(recurrent)は今日的であり続ける、現に通用するようにするということになりましょう。

キャリアについてもリカレントは必要なことであり、そうすることがキャリア・ブラッシュアップであり、職歴や経歴をリニューアルしリフレッシュするということでしょう。

参考にしてみてください。

現役転職コンサルタント

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